小さな暮らしの工夫 Vol.11 : 2026-10-26 UPDATE

外から帰ったら、4つのひと手間

一日を終えて家に帰ると、早く靴を脱ぎ、上着をしまって、ひと息つきたくなります。
けれど、一日履いた靴には道の埃や湿気が残り、コートにも目には見えにくい埃や外の空気、体温による湿気が含まれています。そのまま靴箱やクローゼットへ戻す前に、ほんの少しだけ手をかけてみませんか。
玄関で靴を整え、クローゼットの前でコートを整える。帰宅後のお手入れを動線の中に組み込んでおけば、特別な時間をつくらなくても、愛用品を気持ちのよい状態へ戻すことができます。


靴の埃を、乾いているうちに払う

靴を脱いだら、表面についた埃や砂を馬毛ブラシで軽く払います。汚れは湿気や油分と混ざる前のほうが落としやすいもの。玄関の近くにブラシを置いておけば、帰宅後の数十秒で済ませられます。
力を入れて磨く必要はありません。靴全体を眺めながら、甲から側面、縫い目やコバのまわりへと、毛先で埃を浮かせるようにやさしくブラシを動かします。なお、雨に濡れた靴はこすらず、乾いた布で水気を押さえてから、風通しのよい日陰で乾かしてお手入れしましょう。


帰宅後に靴を脱いで表面についた埃や砂を馬毛ブラシで払う


シューツリーを入れ、形と湿気を整える

埃を払ったら、靴の形に合うシューツリーを入れます。一日歩いた靴には足の動きによる履きじわが残り、内側にも汗による湿気がこもっています。シューツリーを入れることで、履きじわを伸ばしながら、靴本来の形へゆっくりと戻すことができます。より除湿効果を高めたい場合は、脱いだら15分ほど待ってシューツリーをいれましょう。
シューツリーは靴へ無理なく収まり、甲やかかとを自然に支えるサイズを選ぶことが大切です。また、毎日同じ靴を履き続けず、休ませる日をつくることも、靴を長く大切に履くためのお手入れです。


レッドウィング ベックマンの形に合ったシューツリー


コートのポケットを空にして、ブラッシングする

次は、脱いだコートやジャケットを整えます。 鍵や財布、ハンカチなどをポケットに入れたままにすると、その重みで生地が引っ張られ、シルエットが崩れやすくなります。まずはポケットを空にして、襟や肩、袖の形を軽く整えましょう。
洋服ブラシは、生地の流れに沿って上から下へ動かします。肩や襟、袖口など埃がつきやすい場所も忘れずに。あくまでも軽く。表面に残った埃をその日のうちに落とすためのブラッシングです。


ジャケットを洋服ブラシでブラッシング


体温と湿気が抜けてから、クローゼットへ

ブラッシングを終えたコートは、すぐにクローゼットへ戻さず、風通しのよい場所でしばらく休ませます。
一日着た衣類には、外気だけでなく、体温や汗による湿気も残っています。厚みのあるハンガーに掛け、ボタンを外した状態で風を通しましょう。着用した時間や天候によっては、ひと晩休ませてもよいでしょう。
十分に湿気が抜けてからクローゼットへ戻し、長く保管するときは、通気性のあるガーメントカバーで埃から守ります。こうすることでコートの形崩れを防ぎ、取り出しやすさもアップします。

ジャケットをクローゼットへ戻す


ブラシをかける、形を戻す、ポケットを空にする、風を通す... どれも、ひとつずつなら短い動作です。すべてを完璧にこなそうとせず、「今日は靴だけ」「今日はコートだけ」でも構いません。
帰宅後に使ったものを元の状態へ戻す時間は、一日を静かに終えるための小さな区切りにもなります。


今日使ったものを整えることは、次に気持ちよく使うための支度です。

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