
暮らしのウェルネスマガジン Vol.1 2026.7.10
お手入れをすると、モノだけでなく心も整う。
毎日の暮らしは、思っている以上に慌ただしく過ぎていきます。仕事に追われ、予定をこなし、気づけば一日が終わっている。そんな日が続くと、心も少しずつ乾いていくような気がします。
そんなとき、私はほんの数分だけ、身の回りのお手入れをする時間をつくります。
・靴にブラシをかける。
・革にクリームをなじませる。
・お気に入りの洋服をハンガーに掛け直す。
特別なことではありません。けれど、その静かな時間には、不思議な力があります。
お手入れの時間には、心地よさが隠れている。
ブラシを動かす手に意識を向けていると、さっきまで頭の中を行き交っていた考え事が、少しずつ遠ざかっていきます。
革にゆっくりと艶が戻るように、気持ちにも落ち着きが戻ってきます。お手入れをしているのはモノなのに、整えられているのは自分自身なのかもしれません。
私たちは、健康というと食事や運動、睡眠を思い浮かべます。でも、毎日手に触れるもの、身につけるもの、暮らしの中で繰り返し使うモノのお手入れも、心地よさに大きく関わっています。
・乾いた革は、少しの保湿で美しさを取り戻します。
・木は磨かれることで風合いを深めます。
・洋服はきちんと休ませることで、美しい形を長く保ちます。
どれも無理に新しいものへ替えるのではなく、今あるものと丁寧につきあうという考え方です。
そして、それは、人の体との付き合い方にも少し似ているように思うのです。疲れたときは、何かを足すことばかり考えてしまいますが、本当に必要なのは、ほんの少し立ち止まり、自分を整える時間なのかもしれません。
良い暮らしは、小さな習慣から育っていく。
お手入れとは、汚れたものや壊れたものを直すためだけの作業ではありません。今あるものの良さを見つめ直し、その時間を楽しむ、小さな習慣であり、その積み重ねはモノを長持ちさせるだけでなく、自分の暮らしそのものを豊かにしてくれます。
新品を買ったときの喜びは、いつか薄れていきますが、長く大切に使い続けたものに宿る風合いと愛着は、時間とともに深まっていく。モノがあふれる世の中だからこそ、モノに向き合うその時間こそが、一番贅沢なのではないかと感じます。だから今日も、お気に入りの一足にブラシをかけます。ほんの数分のことですが、その時間が一日の終わりを静かに整えてくれます。
お手入れは、モノのためだけではない。自分らしく暮らすための小さなウェルネスだと、そのように思う理由です。
BOQ Note
便利なものが増えた時代だからこそ、手をかける時間は、少し贅沢なものになりました。BOQでは、「長く使うこと」と「心地よく暮らすこと」は、きっと同じ方向を向いていると考えています。







