古い靴を自分で修復 - 1

靴の修復にはダメージに応じた適正な修復方法の見極めが必要です。修復方法を誤ると、かえって悪化することもあります。そこでアンティーク家具のレストア職人クリストフ・ポーニー氏が開発したレザーケア用品を使って靴のレストアを実演します。

 
修復前

レストア前の状態。(この靴はフリマアプリで手に入れたボストニアン。深刻なダメージも無く状態は良い方。)
 

修復方法

1.まずはブラシでホコリを掃います。
2.固く絞った雑巾で全体を優しく拭きあげます。
3.雑巾で落ちなかった汚れは、汚れの種類に応じ適切な方法で落とします。
4.シューツリーを入れクリストフ ポーニーのシュートニック(ブラウン)を全体に塗ります。
  ※シュートニックは水分の導入を助ける役割を果たすオイルです。
5.シュートニックが革にある程度吸収されたら、次にデリケートクリームを塗り水分補給します。
  ※ダメージの程度により4と5を何度か繰り返します。
6.履きジワや特にダメージがある箇所にはクリストフ ポーニーのレザーセラムを塗ります。
7.仕上げにクリストフ ポーニーのレザークリームを全体に塗ります。

 
小指付け根付近

小指の付け根付近は乾燥によるダメージが特にひどかった部分。油分と水分が抜け微細なひび割れも見てとれます。こうした状態でもシュートニックとデリケートクリームの塗布を繰り返せば、革はハリを取り戻し微細なひび割れはある程度ふさがります。また、今回使ったシュートニックは茶色の顔料入りなので、浸透性の高いオイルとともにひび割れやシワの奥まで顔料が浸透し目立たなくなります。ここにはさらにレザーセラムも塗っています。
 

大概の汚れは雑巾で落ちますが、履き口付近にベッタリ付いていた汚れは雑巾では落ちなかったのでステインリムーバーで落としています。
 

シューツリーを入れ、全体にシュートニック→デリケートクリームの塗布を繰り返すと、革はハリと潤いを取り戻し、肌理が整いシワも目立たなくなります。深いシワには、さらにレザーセラムを塗ればより目立たなくなります。
 

ソールに近い部分は特に乾燥しているので、水分と油分を十分補給してください。そうすればダメージを修復するだけでなく、予防することもできます。
 

羽根のシワは革に元からあるシワで、牛の首から肩にかけての部分です。このシワは履きジワと違い油分と水分を補給しても伸ばすことが出来ないので、この部分はヒートガン(工業用ドライヤー)を使ってシワを伸ばしています。ヒートガンは300〜600℃と非常に高温で革を傷めるため、十分保湿しながら使用します。
 

擦れや小キズは顔料入りのシュートニックを塗ればかなり目立たなくなります。
 

カカトの内側の黒い擦れは、靴を脱ぐ際に付いたヒールリフトのゴムの跡です。ステインリムーバーでは落ちなかったので、有機溶剤を使って落としています。有機溶剤は汚れだけではなく革の色まで落とすので注意が必要です。また、有機溶剤が蒸発する際に水分や油分も失われるため、使用後は水分と油分を補給してください。
 

本来の姿を取り戻したレストア後の状態。仕上げに全体にレザークリームを塗っています。レーザークリームはワックスのような鋭い輝きではなく、革本来のツヤを引き出します。蝋分を含まないので履きジワに塗っても白く浮きません。

見違えるように修復されたと思います。
ぜひ皆さんも従来のお手入れにシュートニックをプラスして、レザーの保湿を高めてみてはいかがでしょうか。
 

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